2018年3月8日(木)超党派「原発ゼロの会」主催第69回国会エネルギー調査会に
出席いたしました。
福島第1原発事故を再検証するというテーマで、佐々木寛氏(新潟国際情報大学教
授)、木村真三氏(獨協医科大学准教授)、除本理史氏(大阪市立大学教授)、田中
光彦氏(科学ジャーナリスト)からそれぞれ報告・提言をいただき、その後質疑・討
議を行いました。
私からは、田中光彦さんと原子力規制庁に対して、
「福島第1原発を視察した際、東京電力に現場を片付けながら事故原因の調査をしてい
るのかと質問したが、存じ上げないという答えが返ってきた。東京電力に対して、現
場を見ながら原因究明を進めるよう指導しているのか、それとも東京電力任せで、大
事な証拠が片付けられるのを見て見ぬふりをしてるのかお聞きしたい」
と質問しました。
田中光彦さんは、「重要な指摘に感謝します。廃炉プロジェクトチームと原因究明
チームのコミュニケーションがきちんと取れていないので、大事な証拠が記録もなし
に片付けられている」と指摘しました。
また、原子力規制庁は、「規制庁としては、平成26年10月に事故分析に関する中間報
告書を出させていただいております。その時点で原因究明が出来てない点もあるので、
今後とも調査は継続していく所存です。中間報告も第2弾、第3弾とまとめていくと明記
しておりますので、これが最後だという認識はございません」と答えました。
さらに私から原子力規制庁に、「例えば火事があった、交通事故があった、そのよう
な場合は詳細な現場検証が行われ、どこに何があったか確実に記録される。福島第1原
発の事故現場でも片付ける前にしっかりと記録を残すことを徹底して欲しい」と問いか
けました。原子力規制庁は、「事実関係を確認して、どう対応すべきか検討いたします。」
と答えました。
以上のような答弁を引き出しましたので、今後の検討状況を逐一チェックしながら、
適切な対応を促していきます。
私からもう一点、木村真三准教授と環境省に対して
「福島県の甲状腺がん検査について、先行調査と本格調査の結果を年度毎で割ると発症
率が0.0345%となる。従前のがんの検査では、100万人に一人か二人と言われているが、
それに比べると300倍以上になっている。環境省は前回もスクリーニング検査では50倍
ぐらいが説明できる範囲と答弁していたが、345倍となると説明がつかない。この点につ
いては、どういう議論がされているのか。また5歳未満に発症者がいないというのを大き
な根拠にしていたが、5歳未満の発症者もいたことがわかった。過剰診断説は崩れている
と思うが、環境省はその後どのような対策をしているのか」
と聞きました。
木村准教授からは、「現在行われている新潟県原子力発電所事故による健康と生活へ
の影響に関する検証委員会では、そこまで議論はいっていません。」と報告いただき
ました。
環境省は、「先行検査については、放射線の影響は考えにくいとされております。本
格検査2回目に関しては、今評価をされているところでございます。
先行検査に関しては、過剰診断の可能性が高いと福島県の検討委員会で評価をされて
いるところだと承知しております。
5歳児に関しては、そういった報道があったと認識しておりますが、それは先行検査
ではなく、本格検査なのかは存じ上げておりません。」と回答しました。
何も調査してない環境省に対して、「水俣病やB型肝炎のように、訴訟がおこってか
らでないと国が動かないというようなことにならないように、しっかり取り組んでく
ださい」と強く要望しておきました。