街頭演説を行いました(安倍総理施政方針演説に対する違和感)

1月28日から通常国会が始まり、本日1月30日から、街頭での国会報告を再開しました。

 

通常国会初日、安倍総理の施政方針演説が行われましたが、私はそこに大きな違和感を感じました。

 

政治には本来、対立構造があります。一般市民寄りの政党であるのか、企業や富裕層寄りの政党であるのか。減税をして小さな政府を目指すのか、社会保障に気配りをした大きな政府を目指すのか。そういう考え方の差があるのが普通です。そして、「トレードオフ」つまり「こちらを立てればあちらが立たず」という、非常に難しい選択の中で行われるのが政治であり予算の編成なのです。

しかしながら今度の安倍総理の施政方針演説、そしてその施政方針演説を形作る元となった予算の編成においては、トレードオフの関係が全く見られません。防衛関係予算も教育関係予算も増やし、保育所も無償化する。すべての国民が満足するような予算が組まれています。

しかし本来これはあり得ない話です。国の予算、税収というのは限られています。それなのになぜ「トレードオフ」の関係になっていないのか。それは、日銀が国債をほぼ全額買い取って国の財政を支えるアベノミクス=異次元緩和という異常な予算編成がなされ、バラマキ型の予算が組まれているからです。

日銀が買い取った国債は、将来返さなければいけない借金です。20年後、30年後、40年後の我々や、今まだ小中学生の子どもたちの負担の上に、今のやりたい放題の予算が成り立っている。

つまり、トレードオフの関係が、現在 対 未来という形で行われてしまっているのです。

 

この未来に対する無責任さに関して、与党はもちろん野党も追及の声を上げていません。政治家や政党というのは、自分達の支持層が満足するようなところに予算配分をするのが仕事、というようなところがあります。このため、批判をしたら最後、「じゃあその分の予算は配分しなくていいんですね」ということになる。ですから、20~40年後に負担を先送りするということについて、野党も批判をしにくいわけです。「放っておけば今はなんとかなる。」「モリカケ問題、統計不正問題などを責めていればなんとなく政府に対してモノを言っているように思う。」そして政府の側でも「全ての国民に気配り目配りをした予算を作った。」「日本の経済はよくなっている。」そういった自画自賛を続けていられるわけです。今の政党や政治家は不都合な現実に目をつぶり、国民に対して消極的に嘘をつき続けているのです。

 

しかしながらこれでは国が成り立っていきません。

今本当に必要なことは、細かい議論とともに、将来を見据えた大きな議論を進めていくことです。細かい統計不正問題の追及ももちろん大切ですが、最も重要なのは、今の日本の予算がまともに組まれているのかという根本的な問題です。

しかし、これを真剣に考えれば、税金だって上げなければいけないし、支出だって抑えなければいけない。これはいずれも不人気な政策です。

 

このような国会の実情をぜひ、国民の皆さんにも知っていただき、政治に関心を寄せていただきたいと私は思います。皆さんの未来が本当に決定的に損なわれてからでは遅いのです。今のうちに、この状況をなんとか変えることができる、本当の意味でものを考えられる政党や政治家を育てていかなければなりません。

是非皆さんも、私達と一緒に政治について考えてみてください。