スルガ銀行「かぼちゃの馬車」に関する問題について

 昨日、最近その行く末が注目されているスルガ銀行の問題について、金融庁においで頂き、質疑や意見交換をさせて頂きました。

 地銀であるスルガ銀行が、シェアハウス事業を営んでいた「かぼちゃの馬車」に関し、サブリース業者と一般顧客を繋ぐ融資を行
い、その過程で融資関連書類の偽造などまでして無理な融資をしていた、というのが報道されているところです。
 これに絡んで株価が相当程度下落するなどしたほか、経営トップの進退も報道されるなどしています。
 実は、スルガ銀行については、過去の弁護士業務において、問題のあるワンルームマンション投資の提携ローン先として知ったこ
とがあり、危惧していたところでした。

 この問題の本質は、提携先の企業と一般顧客との間に立ちながら、提携先の企業や自行の利益を重視する一種の利益相反行為があ
った疑いがあることではないでしょうか。金融庁としてもこの事件の個別問題に矮小化することなく、大局的な見地からの調査を行
なっているようです。
 私が弁護士業務において力を尽くした「富士ハウス」事件で、一般の顧客が被害を受けたのもこの利益相反行為について、金融機
関の配慮が足りなかったからだと思っています。
 この忘れがちな問題について、今後の本件の調査においても是非考慮してもらいたいと意見を述べさせていただきました。
もっとも、地域を支える大切な金融機関として是は是、非は非としながらも、その健全な存続には十分な配慮や指導が必要なことも
要請しました。今後は、スルガ銀行が設置した第三者委員会を横目でみながら(第三者委員会は、8月中を目処に結論を出されるとい
う報道)、金融庁としての処分について、行うか否かを含めて検討していくようです。私も、今後も注目していきたいと考えています。

 財務金融委員会に身を置きながら、現在の衆議院のシステムでは質問する機会を与えられていませんが、今回のように地道に調査
や意見交換は行なえます。羽衣の松の問題では、その意見交換が固結層の除去という形で身を結びました。独自の視点を活かして、
私でなければできない仕事を今後も続けて参ります。
 皆さまの期待に応えられるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。