【国会報告】こんな質疑をしています。

率直に言って、現在の国会での質疑は、思いつきやら、週刊誌情報に基づく調査不足のものやら、官僚のつるし上げやらが目立つ。取り上げられる題目も、時流に乗ること、マスコミ受けを狙っているのだろうな、という質問ばかり。

残念ながら、今、衆議院でもっとも多く委員会が開催されている厚労委員会(毎週水・金、各7時間)もそんな感じ。

 

そんな中で、私がどんな質疑をしているか、ご紹介を。昨日(5月12日)の衆院厚労委員会での質疑のご報告。

1 まずは高齢者施設での防疫対策。政府が800万回分の迅速抗原検査キット配布を基本的対処方に盛り込んだのは一歩前進だが、8日には神戸市で介護施設で133人のクラスターが発生し、25人が死亡している(神戸新聞)。

 

(問い)対処方針には対策が示されているが、それが結果にコミットしていない。今後どうやって実行性をあげていくのか。

(政府答弁)実績として10都府県2万9千施設中、2万3千施設で実施済み。さらに4〜6月にかけても集中的実施計画をしている。

 

しかし、6千施設も漏れがあるのでは、クラスターが絶えないのも当たり前。見回るのであればこちらが先。

さらに最大の問題点は、施設従事者への検査頻度。なんと通知では「少なくとも2週に1度」。これでは検査後、従業員が新たに感染すればクラスター完成後に次の検査、ということになってしまう。3日に1度を徹底してもらいたいところ。

また、施設従業員が濃厚接触者になって休むのも有給休暇、また施設側も人手が足りなくなる(神戸新聞)。現在、クラスター発生時には行政が応援をするシステムを作ったようだが、それでは不十分。そこで、

 

(問い)検査頻度を最低週1にあげる。また、頻回検査を現場が採り入れられるように、検査で陽性者が出た場合の応援システムを作られたい。

(田村大臣)「私も就任以来施設に抗原検査を使ってもらいたかったが、施設に利用してもらえなかった。6千施設漏れがある。また、1週間に1度だと鼻から採るの大変という声もある。配っても使ってもらえないと意味がない。

何かあったときに支援することがその工夫の一つ。クラスター出た時にはその仕組みあるが。濃厚接触者の有給休暇問題も含め、頻回検査の実施に向けて進めていきたい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大臣が同じ方向を向いているのはわかるが、どうやって動かして日本を救うか。見回りたいもそうだが、やるならここ。政府が本当にやるべきことやらないから国民が政府の言うことを聞かなくなってきている。政府がやるべきことやってないのに、自分たちだけ我慢する・飲食店がバタバタ潰れなければならないのか。いくら情報統制のような状況下でも気付く人は気付いているので本当に一生懸命やってほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2 必要な対策と不要な対策の徹底

世界各国の感染状況に比べると、感染の波が欧米よりも波静かなのは明らか。数字を揃えてみれば、ゼロに沿っているような形。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イタリアなどは日本よりもまだ相当多いのに制限が緩和されてきている(NHK)。

一方で、昨年の病床使用率は一昨年より低下して実は4割は空床(日経)。

そういった状況で、デパートなど商業施設への規制が行われているが、中途半端で意味不明。経済的損失や出生数の激減など大きな国家的損失を伴う以上、効果不明な社会的距離政策ではなく高齢者施設対策・病床数融通など直接的な対策を優先すべきと考えるが。

 

(尾身会長)国がもっと効率的な対策は同感。委員が言われるクラスター対策としての抗原検査は強く提言した。国民生活を通常に戻すために、病院に行かずに軽症で働いている方を掴む(9%程度存在)のが対策の肝だと思っているので、委員が言われる通り徹底的に政府にはやってほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋外でのサーフィンやハイキングなどは、感染危険性ほぼないのに報道が批判している(FNN)。外に出ることは健康維持のために必要だが、報道に尾身先生から物申して。

 

(尾身)人流を気にしなければならない大阪の状況さえ改善されれば、どんどんサーフィンしてください。

 

3 変異株で若年層に重症化の事実はあるのか。

 変異株の驚異がマスコミで盛んに報じられているが、事実はどうか。感染力が1.5倍とか強くなっていることはそのとおり。だが、重症化、特に若い世代が重症化、は事実か。

 

小池都知事は、「若い方が重症化しやすい。都の感染者は20代~30代が半数以上を占めており、重傷者数も20代~50代で倍増している。」(ENCOUNT

 

 新規感染者に占める割合をみても、6月の方が遙かに20〜30代の割合が高く70%。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、重症者数も、11月からのデータをみても、波の合間の3月と比べれば倍増だが、それでも10人程度が20人程度に増えただけで第3波でもみられたこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(東京都データに青山まさゆき事務所が加筆して作成)

 

全国でも同じでむしろ1月より5月の方が重症者割合は全体も若い世代も低い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ランセット感染症という権威ある雑誌に4月12日にアクセプトで掲載されたコホート研究の論文では、重症化とは無関係ということが強い相関関係をもって認められたと記されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(問い)感染研は、変異株が重症化・致死率を高めているとの表を発表しているが、なんのエビデンスに基づいているのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(感染研Webより引用)

 

(脇田所長)変異株、重症化について、アドバイザリーボードで50歳以下について議論があった。他にも論文はある。我が国において、重症が多いという傾向がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、所長の話は具体性に欠け数字も示さず。これではダメ。

経済や出生率にも大きな影響があり、感染研は、国民やマスコミが判断を誤らないよう数字を出して話をすべき。

RNAウイルスのなので変異はむしろ当たり前。元々武漢でもS型→K型→G型と変化した。

「突然死」「血栓」「心疾患」「ニューヨーク化」「後遺症」「感染爆発」「医療崩壊」とマスコミは国民の恐怖を煽るようなマジックワードを並べ立て、今は「変異株」、「若い世代も重症化」。

 

(問い)国民に正確なデータを提供し、数字に基づいて根拠のある話を国民にしていただきたいが

(尾身会長 )アドバイザリーボードで大阪のプレゼンで50歳以下の率が増加したというレポートはある。それが金科玉条、数は限られてるしこれからもそうというわけではないが、一番しっかりドキュメントされている大阪がそうなっているのでそう解釈した。

(田村大臣)感覚的に多いという話は聞いているが、定量的にどうかはまだ。この数字みると変異株以前の方が低い。大阪で若い世代が多いのは、感染者(絶対数)が多いから、重症者数多いと見えているのかどうか、よくよく分析したい。正しく国民の皆さんにお伝えしたい。

 

尾身会長、田村大臣と率直で前向きな意見交換が出来ました。