4月14日 国土交通委員会で質疑を行いました。

4月14日(水)国土交通委員会で質疑を行いました。

 

大井川流域62万人の水源である大井川で水枯れが起これば、周辺地域の生活に及ぼす影響は計り知れません。このため、リニアトンネル工事には、十分な事前調査が不可欠です。

 

この点、リニア中央新幹線の環境影響評価に対し、国土交通大臣は「大井川を始めとする沿線の各河川は、水道用水、 農業用水、工業用水及び発電用水等に利用されていることから、河川流量の減少は河川水の利用に重大な影響を及ぼすおそれがある。」「必要に応じて精度の高い予測を行い、その結果に基づき水系への影響の回避を図ること。」と意見を寄せています。

 

一方、各地のトンネル工事では、歴史的にも水枯れ被害・公害が発生しています。冒頭、こういった被害の事例を承知しているかについて国交省に問うたところ、丹那トンネルなどの古い事例については認めたものの、最近の事例であるリニアの別の工事区間での事例については度々言及を避け、3度目の追及でようやく認めるという誤魔化しの姿勢が見て取れました。

 

大井川の水源は南アルプスの地下水です。地下水は断層が動くことにより岩盤が砕けてできた「破砕帯」という空隙に溜まっています。JRはこの破砕帯について、ノンコア・ボーリングという、地質を調べないタイプのボーリングしかしておらず、どのくらい水が通るのかを調べる透水試験もしていません。ノンコア・ボーリングができるのならばコア・ボーリング(地質を採取するボーリング)も透水試験もできるはずです。これらの検査を行うような指導を国交省に強く求めましたが、これに対する答弁も「工事をやりながら調べていく」という趣旨のもの。

 

たった一か所コア・ボーリング検査が行われた西俣川付近の断層部では、地下690m~700mにかけてコアが採取できていません。この部分に空隙があり、地下水が溜まっている、あるいは地下水が流れている可能性がありますが、調査結果ではこの破砕帯では湧水増加が見られなかったとあり、これは水が下に抜けていることを意味します。この点を正しく評価しなければ、地下水量の想定も変わり、水枯れ等のリスクについても正しく評価できません。しかし、これを調べるための透水試験は行われていないのです。

 

静岡県の有識者会議はJRによる調査が不十分であることを指摘しています。必要とされる調査は時間やお金が莫大にかかるものではなく、すでにJRがノンコア・ボーリングを行った場所でのコア・ボーリングと透水試験。そうして実態を把握した上で、議論を行うべきです。

 

水が流出してしまってからでは「覆水盆に返らず」。影響が出てしまってからでは遅いのです。しっかりと必要な検査を行い、静岡県の抱いている疑念を払拭してほしいということを改めて強く申し入れました。

 

本日の質疑の様子は衆議院インターネット審議中継のビデオライブラリ2021414日 国土交通委員会)でご覧いただくことができます。お時間のあるときに是非ご覧ください。