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街頭演説を行いました(自衛隊日報・異次元緩和と出口政策)

平成30年4月5日(木)朝8時から街頭演説を行いました。
本日は、お話しさせていただいた中から、
陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報が発見されたことに関する問題点と、
先日財務金融委員会で行われた、日銀の異次元緩和政策に関する
野田元総理と黒田日銀総裁との質疑についての見解を
抜粋してご報告させていただきます。

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【自衛隊イラク派遣部隊日報発見について】
今週、イラクに派遣されていた自衛隊の日報が新しく発見されました。
これがみつかったこと、そしてそれを報告したことは妥当かと思いますが、問題なのは、これが見つかったのが昨年の3月だったということです。つまり、みつかっていたのに、1年以上これが隠されていたというわけです。
私はこれは極めて重要な問題だと考えています。というのも、自衛隊というのは、文民統制、シビリアンコントロールといって、内閣や、あるいは防衛庁の事務方のコントロールに服さなければならないとされているからです。これは、皆さんもご承知のとおり、戦前、軍部が独走し、満州事変や日中事変を起こし、あちこちで爆破事件や謀略事件を起こして戦争を拡大していったという苦い経験があるからです。世界中の憲法においても、シビリアンコントロールは大変重要なものとされています。
国会でも取り上げられていた問題の文書を、1年も隠したままにしておいたということ。これは大変な危機感をもって考えなければいけないことだと思っています。
今の政治の問題点は、やはり公平中立であるべき行政が、あちこちの点で歪んできてしまっているということだと思います。官僚が都合の悪い文書を隠すということは、薬害エイズ問題の時から行われてきたわけですが、加計学園や森友学園の問題しかり、今はそれが政治への配慮という形もあいまって行われている。ここで公文書管理を徹底していかないと、将来の日本に禍根を残すことになってしまいます。ですから文書がなくなったとか、書き換えられたということについては、政治家の関与の有無にかかわらず、緊張感をもって正していかなければならない事案だと考えています。

【日銀による異次元緩和と出口政策について】
さて、国会では今年度予算案が衆参両院を通過し、現在は、一般質疑が行われています。
先日は、私が所属する財務金融委員会に日銀の黒田総裁がおいでになり、無所属の会の野田元総理が様々な質問をぶつけておられました。
財務金融委員会という、国の財政規律、金融行政をつかさどる委員会として、まさに大変重要なやりとりが行われたわけです。
そこでの質問は、大きく言えば
① 黒田異次元緩和の5年間の総括、2パーセントのインフレ目標が果たして妥当なのかという点
② 日銀のバランスシート(日銀がお札をどんどん発行して国債を大量に買い入れていること)が妥当かどうか
③ 異次元緩和の出口政策(この政策をどうやってやめていくのか)
について、1時間にわたり、真っ向からの議論が行われました。
黒田総裁は、アメリカでいえば、FRB(アメリカの中央銀行)理事長に当たります。FRB理事長といえば、アメリカでは大統領の次に重要な人物であり、議会で発言をするとなれば、アメリカのみならず世界中から大変な注目が集まるようなイベントですが、残念ながら今回の財務金融委員会での回答について、報道機関はほとんど報じていません。この無関心は、日本の将来に大きな禍根を残すのではと私は危惧しています。

① について
黒田総裁は、2パーセントのインフレ目標を一体いつまで続けるのかという質問に対し、明確に「まだ続ける」と回答しました。いくらお札をすって国債を買い入れても、ちっともインフレが起きないのはなぜかという問いに対しては、原油価格が低迷しているからと答えました。しかし現実には、リーマンショック後に20ドル台にまで低迷した原油価格が今は60ドル台です。最安値に比べて3倍も高くなっているわけです。この状況をみると、原油価格のせいだけにしておいていいのかということに、私は率直な疑問を覚えました。

② について
次に日銀のバランスシート、平たく言うと、日銀が大量にお札を発行して、大量に国債を買い入れている状況についてです。こういうことをしていって、果たして日本が本当にもつのかという問題があります。
例えば国債について。これは金利が上がれば、低い金利の時に発行された国債の値段は下がります。例えば今、10年ものの国債の金利は0.1パーセントくらいです。もし仮に本当にインフレが起こって、10年ものの国債の金利が3パーセントくらいに上がったとすると、利子から見れば2.9パーセント、100万円の額面だとすれば、買った人は毎年29,000円も損することになるわけです。毎年29,000円の10年分とすると29万円ですから、約30パーセントも価値が下がってしまうわけです。ですからもし、本当に異次元緩和でインフレが誘発されると、日銀は持っている資産のほとんどが国債ですから、それが暴落し、大損を被る危険性があるわけです。
 そうするとどうなるのか。地方銀行や信用金庫は中長期の国債を大量に抱えています。国債が暴落したときに真っ先に危機に陥るのは地方銀行や信用金庫、そしてほかならぬ日本銀行自身なわけです。皆さんご記憶でしょうか。バブルが崩壊し銀行がバタバタと倒産していったとき。本来であれば、こういう時に最後の貸し手、最後の救済先となるべき日本銀行が、国債破綻が来た時に真っ先に経営危機に陥る。こんな悲喜劇は世界に例がありません。
この日本銀行のバランスシートの拡大、つまり大量に買い入れてしまった資産が目減りすることによって、自己資本が極めて少ない日銀が危機に陥ってしまうわけです。これは、国の経済の行く末を左右する問題ですが、正面から取り上げて問題視する政党や政治家は、残念ながらまだまだ少数です。この問題についても重要な議論が行われました。
③ について
これは今の国債の暴落に大きく関わりますが、日銀による国債の買い入れをどうやってやめていくかということが、今、大きな問題になっています。
例えば突然日銀が「来月から国債の買い入れをやめます」と発表したらどうなるでしょうか。国債はその途端に暴落します。今、日本の国債は引き受け手がありません。民間の金融機関は暴落を恐れて買い入れをしていません。また、今、一般家庭では家計に預金する余力がなく、一昨年くらいから預金を切り崩す生活が始まっています。したがって金融機関も国債を買うお金がありません。そうすると日銀が買い入れを止めれば、国債が余ってしまうわけです。
そうするとどうなるのか。例えばギリシャのように、国債の金利を14~20パーセントと非常に高い水準に設定していかなければならない。そうなれば、先ほど申し上げたように、既存の国債の価格は暴落してしまうわけです。
「日銀は出口政策を取れないのではないか」という観測すらあります。
「金利固定政策」あるいは「金融抑圧」とも言いますけれども、戦後、イギリスではそれが行われました。イギリスの中央銀行が金利を無理やり固定するやり方をとり、その結果、イギリスのポンドの価値がその当時の1ポンド1000円からどんどん値下がりし、今は1ポンド150円です。
もしも日本銀行が出口政策を取ることができず、金融抑圧を続けていけば、次に起こってくるのはおそらく円安です。それも長期間持続的に続く円安だと言われています。輸入品でほとんどが賄われているわが国では、円の価値が下がることで物価が軒並み値上がりするという、「悪いインフレ」であるコストプッシュ型のインフレが起こります。このインフレが10年20年と続いていけば、我々の生活はむしばまれていきます。コストプッシュ型のインフレでは私達の給与や年金は上がりません。収入はそのままで、食料や電化製品、ガソリンなどすべてのものが値上がりしていけば、私達は食べるものも食べられないような大変苦しい時代を迎えなければならない。この日銀の異次元緩和というバラマキ政策を続けて行けば、私達の子供たちや孫の世代にも禍根を残してしまうことになるわけです。
こうした本当に大きな問題がちらちらと見え隠れしているのに、見ようとしていない。
野田元首相が黒田総裁に問いただした時にも、黒田総裁の回答は「(回答するのは)時期尚早である」というものでした。「近づいてみないと何も言えない」と。
実際のところは、出口政策を語ることが不可能であるから語らない、それを言ったとたんに国債と円の暴落が起こる、その引き金をひくことを恐れて黒田総裁は出口政策を語れないのではないか。私はそう推察しています。

おいしいことだけ言って、厳しい未来は見ないふりをする。それではだめなのです。それは第二次世界大戦に突入していった戦前の日本と重なります。勝算の有無や経済的メリットの有無などについて国民に一切説明しないまま、なんとなくのムードで日中戦争、太平洋戦争に突入していった。これと同じことが経済における戦争、すなわち、私達の未来をおそらくは取り崩していくであろう円安の長期間にわたる進行、それによる生活苦、実質的な収入減、こういったことを見てみないふりをする。すぐに目に見えるものではないからと言って説明しないでいる。そして報道機関もこれを報道しない。そして、我々が知るのはそれが現実になったときです。なぜこんなに生活が苦しいんだろう、と、現実になるときまで、我々が気づく時がない。今我々は、こういう蟻地獄のような状況にいるわけです。
私は、本当の姿が、国民の前に提示される必要があると考えています。報道されているのはほんの一握りです。我々は報道されているものだけではなく、その先にあるものに目を向けていかなければなりません。今さえよければそれでいいというこの社会がいつまでも続くわけではありません。気づかない内に、情報が開示されない内に、我々が知らされていたのとは違う世界に導かれつつあるのです。
本当の姿を知ったうえで、選択する道を我々自身が選び取っていける、そういう世の中になっていかなければ、日本は本当の先進国あるいは民主主義国家とは言えないのではないでしょうか。