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東京電力福島第一原子力発電所事故と被害に関する原因調査・検証等に関する質問主意書・政府答弁書

 12月4日に提出した「東京電力福島第一原子力発電所事故と被害に関する原因調査・検証等に関する質問主意書」に対し、12月14日付にて政府より答弁書が届きましたのでご報告します。
 
 一貫した国策として原発を推進し安全神話によりかかり重大事故への備えを疎かにしてきた国には、東電福島原発事故に関する徹底した原因究明と被害全容調査を率先して行い、得られた事実の集積を世界に発信し現在に活かし後世に伝える義務があります。しかし現状はその義務履行に先駆け原発再稼働に邁進しているような状態です。
 青山雅幸は、重大な事故責任を負う国に対し引き続きその姿勢を問い続ける取り組みを継続していきます。

【質問主意書:平成30年12月4日提出 質問第107号】
 東京電力福島第一原子力発電所事故と被害に関する原因調査・検証等に関する質問主意書

 平成23年3月11日に起きた東日本大震災に伴う東京電力福島原子力発電所事故は世界史に残る大事故であり甚大な被害をもたらした。その東京電力福島第一原子力発電所事故と被害に関する原因の調査・検証と知見の集積、そして今後の施策・制度への的確な反映は国の重大な責務である。
 事故原因等の調査・検証等については、これまで国会事故調・政府事故調・民間事故調・東電事故調等様々な取り組みが行われ多くの知見・提言等が取りまとめられたが、事故現場が高線量であることなどの理由により現地調査に着手できず継続した現地調査・検証に持ち越された部分もある。それら未解明課題等については、これまで主に東京電力ホールディングス株式会社による調査検討が行われている。一方、国においては、設置法上の所掌事務の一つに原子力事故原因及び被害原因究明のための調査が明記される原子力規制委員会によって未解明課題等のうち、まずは国会事故調報告書において未解明として規制機関に対し実証的調査が求められた事項を対象に検討が行われ、平成26年10月8日に「東京電力福島第一原子力発電所事故の分析中間報告書(以下、「中間報告書」という。)」が取りまとめられ公表されていると理解しているが、以下、質問する。

一 「中間報告書」では、国会事故調報告書において未解明問題として指摘されている事項については、概ね検討を終えたとしているが、「高線量であることなどの理由により現地調査に着手できない事項などもあり、引き続き、継続した現地調査・評価・検討が必要」とされているところ、引き続きの継続した現地調査・評価・検討はどの様に行われているか、また、行われていないのであればその理由についてお示しいただきたい。
二 「中間報告書」では、福島第一原子力発電所での作業進捗に併せ新たに明らかになった事実などについても、「今後、現地調査や東京電力への確認等を踏まえ、長期的に検討を継続する必要」があるとされているところ、長期的な検討はどの様に行われているか、また、行われていないのであればその理由についてお示しいただきたい。
三 「中間報告書」では、「本報告書は初回の報告書であり、今後の検討状況に応じ継続して報告書を作成する予定」とされているところ、継続した報告書作成の予定についてお示しいただきたい。
四 事故原因等の調査・検証等について、右記の原子力規制委員会以外の国の機関等で行われてきた調査・検証等があればお示しいただきたい。
五 東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(いわゆる政府事故調)は、その「最終報告(平成24年7月23日)」で、東京電力福島原子力発電所事故原因の解明とともに、原子力災害による「人間の被害」全容について総合的調査、記録化、検証、詳細な被害事実の教訓化についての必要性に言及し、大正12年関東大震災に関する「大正大震火災誌」(改造社、大正13年)や昭和34年伊勢湾台風に関する名古屋市編「伊勢湾台風災害誌」(昭和36年)、また自然災害ではないが総合的調査方法や記録化の参考として戦争被害を扱った昭和20年の広島・長崎の原爆被害に関する広島市編「広島原爆戦災誌」(全5巻、昭和46年)及び長崎市編「長崎原爆戦災誌」(全5巻、昭和52~58年)を例示しつつ、国が率先し様々な自治体、研究機関、民間団体等の協力を得て総合的な調査態勢を構築するとともに、調査実施について国が必要な支援を行うことを求めている。国は、この原子力災害全容について総合的調査、記録化、検証、詳細な被害事実の教訓化についての必要性と今後の事業化についていかにお考えかお示しいただきたい。

【政府答弁:平成30年12月14日】
 衆議院議員青山雅幸君提出東京電力福島第一原子力発電所事故と被害に関する原因調査・検証等に関する質問に対する答弁書

一及び二について
 お尋ねの「継続した現地調査・評価・検討」及び「長期的な検討」については、原子力規制委員会が東京電力福島第一原子力発電所における中長期的な安全確保について監視・評価を実施するため設置した「特定原子力施設監視・評価検討会」(平成24年11月28日原子力規制委員会決定)において、東京電力ホールディングス株式会社の現地調査結果等の報告を受けるとともに、原子炉建屋内等の汚染状況の把握等を行うよう指導しているところである。

三について
 お尋ねの「継続した報告書作成の予定」については、今後、東京電力ホールディングス株式会社が行う現地調査等への確認等を踏まえ、新たな知見がまとまった段階において作成する予定である。

四について
 お尋ねの「事故原因等の調査・検証等」の具体的な範囲が必ずしも明らかではなく、網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書-東京電力福島原子力発電所の事故について-」(平成23年6月原子力災害対策本部決定)、「国際原子力機関に対する日本国政府の追加報告書-東京電力福島原子力発電所の事故について-(第二報)」(平成23年9月原子力災害対策本部決定)及び「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の技術的知見について」(平成24年3月原子力安全・保安院取りまとめ)を公表しているところである。

五について
 お尋ねの「今後の事業化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会が平成24年7月23日に取りまとめた最終報告書において「被害の全容を明らかにする調査の実施に関する提言」として「詳細な事実を未来への教訓として後世に伝えること」や「国が率先して自治体、研究機関、民間団体等の協力を得て調査態勢を構築する」こと等が示されていることを踏まえ、福島県内の22の市町村の住民を対象としたアンケート調査の実施・公表、国立国会図書館が運用している「国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)」と各府省が保有する東日本大震災に関する情報との連携、全国の地方公共団体の協力を得て実施した震災関連死の死者数についての調査等の措置を講じてきたところである。