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【国会報告】本会議:民事執行法一部改正案(ハーグ条約)

 今日は午後から本会議。民事執行法の一部改正案の質疑が行われました。
 この改正案は、①財産開示命令(裁判で負けたのにお金を払わずいる人の財産を明らかにするよう、債務者の出頭を求める制度)②不動産競売に暴力団員が参加できなくするための手続整備③ハーグ条約に関連し、子の引き渡しに直接的な強制執行を認めてそのやり方について手続を新設するもの、の3つを定めたものです。
 ①②は、実務に生じていた問題点を改善するもので賛成ですが、③には抵抗があります。ハーグ条約に沿った子の引き渡しがなされていないことについて国際的批判があったことは事実ですが、法整備が進むことにより、様々な事情により海外から国内に子どもと共に逃げ帰って平穏に暮らしている親子を無理やり引き離すという事例に繋がることも当然予想し得るところです。国際的批判がいつも正しいとは限りませんし、今まで法務省が意識的にこれをサボタージュしていたのは、そういった点を考慮しての日本的なやり方での抵抗だったのでしょう。
今日は野党第一党、第二党が代表質問されたのですが、私が法律の実務家である故に余計辛口な評価になってしまうのでしょうが、①②の実効性について十分な理解がなされているのか疑問の残る質問でした。そして、③について、その背景に潜む上記の問題点について意識をあまりされているようには思われませんでした。
 やはり、野党はシンクタンク的な機関を自前で持つ必要がありますし、それでも不足する分について、日弁連などの各委員会委員にリサーチする必要があるのではないでしょうか。野党の政権担当能力は、こういった細かいところに現れてくるのだと思います。率直にいって、現状では不足があります。
 もう一つ、気になったのは法案外のことに関する過度の言及。私が普段リサーチしているところによれば、普通の国民はこういうやりとりをあまり好ましく思っていません。
 野党は常に国会における質の向上を意識し、中身で勝負、という姿勢で堂々と論戦を行っていただきたいと強く願っています。
 なお、野党が政権を担当するためという視点からの批判ですので誤解なきよう。批判ないところに改善も向上もないのですから。