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【国会報告】代表質問2日目を終えて

 昨日(10月30日)の代表質問は、公明党、無所属の会(野田さん岡田さんらのグループ)、共産党そして維新の会でした。この中でも,無所属の会はいつもキラリと光る質問をされるので楽しみにしていたところです。

 さて,ここでは実際に行われた順番とは順序を変えて、まずはその無所属の会、野田元総理の質問から紹介します。まずはジャブのように総理として未来への責任を聞かれたが、これは挨拶がわりのようなものでした。
 次はいきなり本題の財政健全化。基礎的財政収支(プライマリーバランス。国債など借金以外の収入と、国債などへの元金利払い以外の支出を比べたもの。借金しないで支出が賄えるかどうかの指標)の2020年度黒字化が5年も先送りされたことを問いただしたもので、他の与野党はこの最重要な問題に触れてもいません。触れれば「バラまき」が出来なくなるからでしょう。今の政治の無責任さの象徴です。そこは、さすがに党が不人気であったところにあえて不人気な消費税引き上げをぶち上げて解散に総理として臨んだ過去を持つ野田さんのこと,やはり覚悟が違いました。この正面からの問いに対して安倍首相は「全世代型社会保障制度への転換」を先送りの理由として答弁しました。しかし,質問とは噛み合っていません。プライマリーバランスの範囲で予算を執行するのか、背伸び(借金)して予算を組んでいくのか、先送りするか否かはこの根本的な発想の違いによるもので、そこをきちんと説明すべきだったでしょう。
続けて日銀の異次元金融緩和の出口政策について、その時期や手法についての質問。勿論、中央銀行の独立性から考えればこれを首相に問うのはお門違いではあるのですが、現在の日銀と政府の癒着ぶり、その癒着による財政ファイナンス(日銀にお金を刷らせて支出を賄うこと)というとんでもない政策を考慮しての,いわば確信犯的質問だったのでしょう。安倍首相も中央銀行の独立性を理由にかわしました。
続けて消費税引き上げについて。先に紹介したように、政権だけでなく事実上与党の地位を投げ打ってまで決めた3党合意による消費税引き上げ。野田さんにとって、財政健全化への想い、責任感はそれほど強かったのでしょう。この質問でも、終戦時の債務残高はGDP比200%であったのが、今年度は240%を超えていることを指摘し、その財政赤字の最大の要因が社会保障費であるからこそ、社会保障と税の一体改革が必要であると正面からの議論を持ち出されました。そして、低所得者層への逆進性対策として有効なのは軽減税率ではなく、対象を明確に絞ることのできる「給付付き税額控除」であると主張して再考を求められました。この点はまさに同感です。これに対して安倍首相は、2.9万回の説明会を延べ83万人に実施したなどと答弁されましたが、いくら説明会を開いても不合理な制度は不合理。その答えにあまり説得力は感じられませんでした。
 議員定数削減を巡っては、参院での6増は、党首討論での定数削減の約束に反したのでは、との質問に対し、安倍首相は、衆議院では削減したといきりたち、議場は騒然。安倍さんは痛いところを疲れると如実に態度に現れますが、今回の代表質問でそこまで追い込まれたのは野田さんの質問の時だけだったように思います。
その後、日米同盟に関連し、米国のパリ協定離脱、INF(中距離核戦力全廃)条約破棄、イスラエルのエルサレム首都移転、2国間FTAについて、トランプ大統領に翻意を促す努力をしたのかと、ストレートな質問。これに対し、安倍首相は、最後の関税交渉について、やはり「言うは易し行うは難し」といきりたち、痛いところをつかれた感がありあり。
この後、ロシア、北朝鮮、女性宮家の問題で締めくくられ、憲法改正問題が取り上げられなかったことは残念でした。是非意見をお聞きしたかったところです。
総じていえば、まさに重量級の質問。迫力がありましたし、その内容に気持ちが込められていました。個々の政策について私とは意見が違うところはありますが、その気概は政治家として是非とも見習わなければならないと思いました。また,こういった正面からの議論こそ今の国会に必要なものだと改めて感じさせられました。

 公明党は公明党らしく、生活に密着したきめ細かい問題を取り上げていました。国会中継の字幕放送実現から始まり、防災、被災者支援ときてブロック塀対策。空港の防災対策や教育費の負担軽減、認知症対策。税制改革も車体課税の見直し(これを書いている10月31日のお昼に,なんとJAFが車体課税見直しを街頭で訴えていました。外郭団体も連携しての出来レースなんですね)や一人親対策から個人事業主版事業承継税制まで。連立与党の在り方として細かいところに気を配るというのはありだとは思いますが、巨大与党にピリッと辛口の意見も進言するというのは難しいのでしょうか。
 そして、消費税引き上げ。公明党は軽減税率の旗振り役でしたから、これを肯定するのは当然でしょうが、消費の反動減対策として様々な給付金やクレジットカードのポイント付与システムなどは増税による税収増を減じますし、設備投資が必要なため中小企業者に対して負担になることなど負の側面も多大にあります。これらに対する「対策」を総理に求めましたが、その対策には当然新たなる予算増が伴います。日本でも政策はよりシンプルなものにするべきでしょう。

 次は共産党。最初が沖縄県知事選と辺野古の埋め立てに関する国土交通大臣の埋め立て承認撤回の執行停止問題。日米地位協定にも触れられました。この問題は、国の安全保障の在り方にもかかわる大きな問題。立憲民主党の代表質問のところでも触れましたが、辺野古移転が反対は良いとして,ではその先の中長期的ビジョンをどうしていくのか。沖縄の負担軽減のためにどういう方向性を考えているのか。そこも含めて堂々たる論戦を展開していただきたいところです。
 消費税増税について、過去の税率引き上げ時に景気が冷え込んだとの指摘はそのとおり。ただ、消費税上げに頼らず財政健全化をどうやって達成するのか、その具体的なシナリオも示していただきたいところです。ポイント還元や給付金のバラマキ反対を述べられたことには強く同意します。また、富裕層と大企業への優遇税制廃止も訴えられましたが、財政健全化の見地からこれも強く賛同します。
続けて憲法9条についての質問。憲法9条改正反対の理由として上げられたのが、①自衛隊を前にしての改憲宣言、②所信表明での言及、③世論調査では反対が多数であること。それはそうですが、あまりに手続き論すぎて、正直、迫力に欠ける反対理由です。党としてなぜ反対なのか、正面からぶつかる迫力のある議論を期待します。

 最後は維新の会。維新の会はあくまで維新の会らしく、消費税引き上げ反対の理由として挙げたのが行財政改革の不徹底。議員定数削減や人事院勧告に従った公務員給与引き上げ反対を述べられました。
 議員定数削減は人口減に併せて必要ですし,先の通常国会で成立した参議院議員の定数6増はまさに論外ですが,人事院勧告による公務員給与引き上げは,労働権の制約がある公務員への代償措置であって,労働者である公務員の基本的人権に関わる問題。また,最近の日本の問題点は給与所得者の給与水準が急速に劣化していることであり,公務員給与が改善されなければ民間給与もそれに引きずられてしまいます。負のスパイラルをこれ以上加速させないためにも人事院勧告は守られるべきです。
憲法改正については,維新の会の持論である教育無償化などの観点からの賛成意見。私としては,そこを憲法で決めるべきことか否かは疑問ですが,議論を提起されること自体を否定するものではありません。
 外国人在留資格に関しては,建前ではなく「移民」をどうするかという国民的議論を,との提案。こういった正面からの問題提起は賛成です。今の政治にもっとも欠けているところですから。面白かったのはNHK受信料下げを提案されたこと。公共放送機関としての役割を整理し,スポーツ番組や娯楽番組は別の有料体系にすべき,という具体案が添えられていました。確かに,とうなずくところでした。

 以上で衆院での各党代表質問が終了しました。先の通常国会で行われた議論から予想されたとおりの内容でしたが,今の各党の色合いや実力というものもよく現れたものだったと思います。そういった意味ではとても参考になるものでしたが,残念ながらそういった観点からマスコミや各党から論評がなされたことは今までなかったと思います。国会議員として,有権者の皆様に果たすべき責任と受け止め,これからも国会報告を詳細かつわかりやすく続けさせていただきます。